MINI SKIRT & LIQUID FACE



まず、はじめに謝っておきます。
私たちはニュージーランドの土地に足を踏み入れるまでの道中で大量のアルコールを摂取したことにより、記憶を失ってしまいました。
ただ、嬉しい事に、ようやく二日酔いから醒められる兆しが見えてきました。

12月の初め、私たちSABREクルーは古くからの仲間であるパンクバンドMini SkirtとLiquid Faceのツアーに同行し、ニュージーランドへ向かいました。
一台のバンで仲の良いメンバーと海外を旅しながら、ライブをすると何が起こるかって? その答えを記していきます。


Australian tourists are the worst.

O私たちは、バリ島、タイ、アメリカ、ヨーロッパなど、世界中のあらゆる場所で“不快な旅行客”と思われているかもしれません。
走り回って荒れ狂い、そしてホテルのベッドに用を足す……。


MINI SKIRT & LIQUID FACE

しかしバンドとして活動していればラッキーな面もあって、そんなツアーをアートだと言い張ることでその行いを正当化することができます。
だから私達は、この旅を最高に贅沢な機会として利用することにしました。


MINI SKIRT & LIQUID FACE

その結果、私たちはバンドたちと気が狂うほどの楽しい時間を過ごしました。
(レンタカーの故障、ギターの紛失、食中毒、道端での嘔吐、ライブでの喧嘩、ストリートファイト、信頼できない天気予報、さらにU2のオークランドでのライブと日程が被ったことで、ホテルが予約できない……など)


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最初のライブは、オークランドにあるWhammy Barという小さなライブハウスでした カランガハペロード沿いにある、しゃれた小さなタイルのアーケードを過ぎ、横道の階段を下ると現れる、ウサギが住む洞穴の様に狭く密集した真っ暗な空間が会場です。


MINI SKIRT & LIQUID FACE

ニュージーランドに一度でも行ったことがある人なら、街の人々がとてもナイスであるということは知っているでしょう。
しかしその晩は完全に違っていて、ニュージーランドの人たちは本当に狂っていたと言っていいでしょう……。


MINI SKIRT & LIQUID FACE
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ライブ序盤で、会場は狂気に陥り、すべての観客がフロアで暴れ狂っていました。途中では喧嘩が起こり、ライブは中断。

バウンサーに彼らを連れ出すように頼むと、バウンサーはマオリの男で、軽々と彼らを階段の上につれて行きました。もしかしたら片手で持ち上げていたかもしれない。(少し話を盛りすぎたかも笑)


MINI SKIRT & LIQUID FACE
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翌日は次の目的地に向かうため、カントリーサイドへレンタカーを走らせました。
道を進むにつれて広がる美しい緑の山並みを横目に、ビールを飲みながらお決まりのドライビングゲームを楽しんでいました。


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“ラグラン”はオークランドから車で南に数時間ほどの距離にある小さなサーフタウン。レフトの長い波が有名で、パブやヨットクラブでも名が知られています。
私たちが以前にここを訪れたとき、一人の地元のファンが私たちの存在も知らないであろう100人ほどのゲストを連れてライブにやってきました。
彼はその日30歳の誕生日を迎え、私たちはライブでそれを祝福しました。


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これは偶然、あるいは運命だったかもしれません。2年後の同じ週末に、私たちはそこでもう一度ライブをすることができました。
再び現れた彼は、2年前と同じように100人のゲストを連れてきました。


MINI SKIRT & LIQUID FACE
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私たちはこの夜、2年前と同じひどい二日酔いの中、何度も顔にマイクを強打し、何度もステージから男を蹴り、何度もステージからダイブして、再び同じ汗を流しました。


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ライブ後も、メンバーの数名は世界で最も情熱的なティキバーのオーナーであるアンディと一緒に朝日が昇る時間まで飲み続けました。


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翌朝5時、サイレンの音で目が覚めました。津波のサイレンだと思い逃げようと思ったもののレンタカーの鍵が見つからず、メンバーは誰も気にしない様子。運命を受け入れホテルの一室で死を覚悟しました。
しかしそのサイレンには特に意味はなかったようで、ローカルたちは全く気にしていないようでした。3日目のライブはキャンセルされてしまい、何もない1日を過ごしました。
Liquid Faceはパブのバルコニーを追い出されるまで居座り続け、Mini Skirtはビーチで数時間過ごしましたが、彼らも結局パブのバルコニーに戻ってきました。

最終日は午後1時にオークランドを出発する予定で、予定通りに旅を終えることが出来ると思っていました。しかし、ひどい二日酔いによる2、3回の嘔吐ののち、2回のフライトがキャンセルに。さらにフライト目的地変更からの乗り換えから、午前1時のシャトルバスでようやく帰路に。

最終的にはニュージーランドは最悪の地、という感想を残し私たちは旅を終えました……。


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