日向秀和/ミュージシャン


日向秀和、ホームタウンと
サブカルチャー(前編)


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日本のロックシーンで常に抜群の存在感を放ち続けるベーシスト、日向秀和こと通称ひなっち。
様々なサブカルチャーに造形の深い彼を、今回は地元の町田にてインタビュー。
他では見ることのできないひなっちの素顔を、前編/後編に分けてフォトレポートと共にお届け。


photo:yuji sato


INTERVIEW

「元々僕はヒップホップが大好きな人間」


ひなっちは、所謂日本のロックバンドシーンに属しているけれど、“ロック畑の人”という印象が全然なくて。むしろSABREがサポートしているヒップホップミュージシャンや、ハードコアシーンで活躍している人たちに通ずる印象を持っていたんだ。

日向秀和(以下、H)そうだったんだね。実はその読みは当たっていて、元々僕はヒップホップが大好きな人間だったんだよね。小学校の時にLL COOL Jを聴いて、リアルタイムで『BAD』っていう2ndアルバムを7コ上の姉から教えてもらって。その姉の彼氏とかはさらにもっと年上だったから、色々な音楽教えてもらって聴いていたんだよね。

かなり早熟だね!ルーツは今活動している音楽ジャンル的とは全然違うんだね。それはベースプレイにも現れていると思う。

H そう言われるとめっちゃ嬉しいね!違うジャンルにいた俺がロックをやるっていうのが新鮮だし、それが楽しいんだよね。

普通のバンドマンと音楽への入り方が全然違うよね。

H そうそう。R&Bとかもコピーしてたし、ロックを聴き出したのは23歳とかからなんだよね。遅いでしょ(笑)。それまではヒップホップ、R&B、アシッドジャズとかクラブミュージックばっかり。


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「町田市民である事を誇りに思っている人が多い」


早熟だなあ(笑)。

H でしょ(笑)。地元が町田で、友達がみんなヒップホップだったんだよね。15、16から周りの友達はミックステープを作ってたし、町田は土地柄なのかヒップホップが凄く根付いてたんだ。

町田のラッパーといえば山仁さんが有名だよね。

H 山仁とは同じ高校だったし、Loop Junktionのドラムのシゲとは10代の頃に一緒にバンドもやってたんだよね。

そうなんだ!町田が地元のひなっちから見て、町田ってどんな街?

H 町田市民は、町田市民である事を誇りに思っている人が多いと思う。

レペゼン意識が高い(笑)。

H レペゼン意識は半端じゃないよ。都心部にもあまり出ないし、神奈川ともノリが違うし。だから「町田って神奈川だっけ?」とか言われたらみんなスゲー怒るよ(笑)。この感覚はうちの親世代もそうだし、伝統なのかも。

町田イズムだね!ちなみに今住んでるのも町田?

H そうだよ。

そこに理由はあるの?

H 地元だから住むのも楽だし、車が好きで3台持ってるから、趣味の面でもメリットがあるんだよね。都心部だと車3台分の駐車場なんて、とんでもない値段になるでしょ。

ミュージシャンという仕事的には都心部の方が活動しやすいんじゃない?

H まあそれはあるよ。でも都心部に長くいると、ずっとスイッチがONになっている気がしてて疲れるんだよね。車で約1時間かけて町田に戻ることで、そのスイッチのON/OFFができるような感じもある。あとやっぱり慣れ親しんだ土地っていうのはいいよね。ジョギングもしてるんだけど、たまに母校に近くを通ると、センチメンタルな気持ちになったり(笑)。


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着用アイテム:JEREMY 2(GOLD METAL×CLEAR GREEN)


(笑)。逆に町田の不便なところは?

H さっきの話にも出たけど、現場には遠いよね。でもこれも褒めることになっちゃうんだけど、都心部にも海にも山にも同じ時間で行けるっていうメリットもある。まあ強いて言えば今だに旧車會がブンブンうるさいことくらいかな(笑)。

やっぱり町田にはヤンチャなイメージがあるあるよね。

H 昔は半端じゃなかったよ。言えないことばっかり。言えることの方が少ないくらいだよ(笑)。


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その話は別の機会にゆっくり聞いてみたいな(笑)。でもなぜそんなにヤンチャな街になったんだろう?

H カルチャー的な面では米軍基地が近いことも関係あると思う。10代の頃からアメリカのギャングムービーとかみんなで観てたし。18歳で車の免許取り立てで63年製のインパラ乗ってるヤツとかいたしさ(笑)。ローライダーも多かったよ。あと割とイラン人とかも多くて、そのゲットー感とヒップホップミュージックの絡みが絶妙だったんじゃないかと(笑)。

他の土地より情報が入ってくるのが早かったんだね。

H そうそう。あと「FLAVA」っていうクラブはヒップホップの聖地で、毎週土曜日はそこにみんな集まってたよ。

思い出深いエピソードとかってある?

H 自主企画のパーティかなあ。毎週土曜日にパーティがあるんだけど、前半はハードコア、後半がヒップホップっていう振り分けがあるイベントで。前半はNYHCでモッシュしたりスラムダンスしてたのに、後半はガラッと変わってヒップホップを流すっていう。

最高の組み合わせだね!

H でしょ。そんなイベントを友達たちと主催してて。自主企画DJパーティだよね。16、17歳くらいだったかなあ。パー券捌かなきゃいけないから、見知らぬ奴にも声かけまくったりしてさ(笑)。あと、Loop Junktionのシゲとはハードコアバンドを組んでて。NYにDog Eat Dogってバンドがいて、そのバンドに凄く影響を受けたサウンドだったかな。


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そんなひなっちみたいな人が日本のロックシーンに入っていったのが面白いよね。毛色が違うと言うか。

H 日本のバンドシーンって、割と大学出てる人が多かったりとかするでしょ。そんな中に僕みたいな者が混ざっていくと、結構面白い化学反応が起こるんだよね。ART-SCHOOLに最初サポートベーシストで入った時とか、爆発したヘアスタイルにクシ刺してて(笑)。でもそうノリのバンドマンなんて他にいなかったし、Voの木下理樹はヒップホップに詳しい俺を凄く気に入ってくれて。


ーーー後半は7/10(金)公開!


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